今回はイラスト制作時に役立つアプリ「コンセプト」を紹介します。
※本記事は「エッセンシャル」を購入し一部機能がアンロックされたプロ版の紹介となります。
1.コンセプトって?
「コンセプト」は自由自在に描き込めるスケッチブックアプリです。
「Apple Pencil」対応で紙に近い感覚で使えるツールになっています。
【オススメ1】ペン感覚で描けるベクター線
コンセプトの画像はベクターで構成されていて、線の修正や、拡大縮小も自由自在です。
通常作成が難しいベクター線ですが、コンセプトではペンを動かすだけで簡単に作れてしまいます。
【オススメ2】何処までも描き続けられる無限キャンバス
コンセプトのデフォルトキャンパスサイズは無限だそうです。
項目表示も「∞」になっています。
大きな紙に描き込む感覚でイラストが描けます。
とりあえずキャラクターを何体もバラバラに描き込んで、後から並べたり、描き加えて整えるなんてことが簡単に出来ちゃいます。
【オススメ3】シンプルで使いやすいメニュー
コンセプトは必要最低限のメニューだけが表示されるので画面が広々と使えます。
余分な機能は省きとにかくラフ、スケッチを描くことに特化させたという感じが伝わってきます。
メニューの配置もタブレットに最適な作りになっていて機能変更、調整がスムーズです。
2.コンセプト機能紹介
こちらがコンセプトのメイン画面になります。
【上部メニューバー】
ファイル読み込みや、設定変更はこちらから行います。
設定→スタイラスの項目「フィンガーアクション」を「スライス(消しゴム)」に設定すると、ペンのまま消しゴム操作が出来るので
おすすめです。
【サークルメニュー】
ブラシや選択といった各種ツールはサークル状のメニューに配置されています。
種類や配置は自由に組み換え出来ます。
【線幅メニュー】
【不透明度メニュー】
【滑らかさメニュー】
【カラー変更】
メニュー中央部をタップでカラーパレットが展開されます。
パレットはグルグル回転し、表示色を切り替え可能です。
「★」部をクリックすると詳細メニューが表示され、選択色の微調整も行えます。
ブラシ紹介
プロ版で使えるブラシの一覧になります。
追加ブラシを購入すると、更に多くのブラシを使うことが出来ます。
ツール紹介
ツールを利用することで線(ストローク)を描いた後から調整出来ます。
【セレクション】
・1本または複数のストロークを選択します。
・選択状態のストロークに対し、移動、拡大、縮小、反転、やロック等を調整できます。

【ナッジ】
・ストロークを調整出来ます。
・ペンを置いた場所を中心に線を引っ張り自由に曲げることが出来ます。
・影響範囲を指定出来、広範囲をまとめて、一点だけを引っ張るといった調整が可能です。

【スライス】
・ペイントソフトの『消しゴム』に該当するツールです。
・ストロークや塗りつぶしを削除、切断出来ます。

【ハードマスク】
・境界がシャープなマスクを作成します。
・マスク箇所のストロークは見えなくなります。

【ソフトマスク】
・境界が柔らかなマスクを作成します。
・マスク箇所のストロークは見えなくなります。

【テキスト】
・テキストの挿入、調整が行なえます。

【パン】
・選択中1本指でキャンバスを動かせます。

精密メニュー
【グリッド】
・グリッド表示のON/OFFを切り替えます。
【スナップ】
・ONにしている間、グリッドに沿った線が引けるようになります。
・きっちりとした直線を引くのに役立ちます。
【計測】
・ポイントの詳細な数値を表示してくれます。
【定規】
・定規に沿って線を引くことが出来ます。
・線、円弧、角度、円形、長方形の定規が用意されいます。
3.ラフ画完成までの流れ
【下絵の読み込み手順】
今回は別の画像を下書きにしてイラストを制作します。
インポート→その他→インポート→写真の順番で読み込む写真を選択し画像を読み込みます。
【線の作成+線の修正】
下絵の上にレイヤーを重ね、ソフト鉛筆で線を描きました。
ずれた線は「ナッジ」や「スライス」で調整します。
コンセプトにはアンカーポイント調整機能はありませんが、下記画像レベルの調整であれば十分対応出来ます。
【定規を利用して描く】
目玉みたいな円形のパーツは定規を使い、綺麗な丸を描きました。
【背景色を変更】
線が描き終わったので、続けて別レイヤーを下に作成して水彩ブラシで塗り進めます。
塗る色と背景の白が重なり分かりづらかったので背景色を青に変更しています。
【完成】

ベクター形式の描き出しについて
良い点が多いコンセプトですが、ベクター形式の描き出しについては残念な点がありました。
コンセプトは「SVG」「PDFベクターパス(※別途購入が必要)」2種類のベクター形式の出力が行なえますが、出力時に線や色情報が制限されると説明があり、自分が確認した限りではコンセプトと同じ状態を維持したまま書き出すことが出来ませんでした。
ベクターデータの扱いがソフト毎に異なるのが原因のようですが、この点については今後改善されることを期待します。